たまるちゃん
だけど金融機関は馴染みがないからしっくりこないところも多いな。。。
サラッと気になるところを解説して欲しい!
第1話の感想を金融機関ホールセラーの体験を踏まえながら解説していくぞ。
半沢直樹(新シリーズ)ダイジェスト版&次回予告|TVerのスクリーンショット15枚と一緒に見ていこう!
デザイナーズ
- 伊佐山部長みたいな粘着な人は金融機関に本当にいるの?
- 金融機関のぽっちゃりはやっぱりダブルのスーツ着るの?
- こんなバカでかいボード見る人いるの?
- 東京セントラルの社員がこんな色めきだって良いの?
- 裏切り者って出てくるものなの?
- 派閥って本当にあるの?
- いきなり部長が部下にチャンバラ仕掛けて良いの?
- 瀬名社長みたいに苦労してる若手社長は多いの?
- 半沢部長みたいな優しくて冷静で熱い上司はいるの?
- こんな簡単に株式の30%の買付って出来ちゃうもんなの?
- 「時間外取引か!」って半沢部長驚いてたけど驚くことなの?
- 人事異動の打診って部長に来るの?
- バレちゃまずいメールを社内メールで送るもんなの?
- 伊佐山部長がメールの受信履歴消去したけどそんなこと出来るの?
- 金融機関はグループ内でも仕事の取り合いが多いの?
記事の信頼性

デザイナーズ(@designers_kinyu)
- 現役の金融機関営業員
スタートアップ企業・VC担当 - 豊富な金融営業経験
リテール6年半・ホールセール5年以上 - トップセールス
リテール最高年収:2,200万円
このブログを書いているデザイナーズは、現役の金融機関営業員です。
リテールではトップセールスで、最高年収は2,200万円でした。
現在はホールセールに引き上げてもらい、スタートアップ企業やVCを中心に100億円規模の取引をしています。
デザイナーズはSpiralの瀬名社長の様な人と仕事をする部門に在籍しています。
金融の専門家から見てもよく出来ている番組だと思います。
この記事を読むと、半沢直樹2020の面白おかしいところが分かります。
それでは記事の本編に入ります。
CONTENTS
伊佐山部長みたいな粘着な人は金融機関に本当にいるの?
結論:いません
大手金融機関の部長のポスト争いは大変激しく、人事の見る目が大変厳しいです。
上司からの評価だけでなく、部下からの評価(多面評価)も大きく影響します。
大手金融機関の部長は40代半ばぐらいが最速です。
月収で言うと100万円ぐらいの役職なので、年収で言うと2,000万円弱です。
良い年した40代半ばのおじさんが、年収2,000万円も貰って仕事中に半沢直樹への復讐を考えるとか暇すぎです。
伊佐山部長の様な粘着質な非生産的な人間は、大手金融機関の部長ポストには絶対つけません。
伊佐山部長は見た目も若いことから、特進で部長になっているんじゃないかと思います。
半沢直樹も部長ですが、子会社の部長と親会社の部長では役職が1つか2つ違うイメージです。
半沢直樹よりは伊佐山部長の方が役職としたら上だと思ってOKです。
対応の具合を見ていると、東京セントラル証券の岡社長と伊佐山部長が同じぐらいの役職イメージですね。
金融機関のぽっちゃりはやっぱりダブルのスーツ着るの?
結論:着ません
社内のビジネスマナーに明記されている訳ではないのですが、どんなに恰幅の良い役員であってもダブルのスーツを着ることはありません。
金融機関は無難であるとかが一番重要なので、一般的ではないダブルのスーツは敬遠されます。
威厳がある様に見えるのが特徴ですが、金融機関は顧客に対して営業をかける側なので、過剰な威厳は不要です。
ダブルのスーツである以外はスーツの着こなしはOKです。
白シャツ・ダークスーツで統一していて、社章も忘れずにつけています。
ただ取り巻き2人のYシャツのカラーがやたら狭いのが気になります。
幅の狭いレギュラーカラーはオーソドックスではあるのですが、窮屈な印象を受けるので現在はセミワイドぐらいのカラーが主流です。
オシャレではなくビジネスマナーの観点からもセミワイドカラーにした方がいいですね。
金融機関は全てのドアに基本ロックがかかっておるから、IDカードを役員でも首からぶら下げるのがルールになっていることが多いぞ。
こんなバカでかいボード見る人いるの?
結論:見ません
証券会社大体どこもこのボード置いてあるんですが、昔の名残です。
パソコンが1人に1台配られてなかった時代は、この大きなボードや「場電(ばでん)」という証券会社用のラジオみたいなもので株価をウォッチ(ヒアリング)していました。
壁が結構汚いのも証券会社っぽいですね。
雰囲気を共有することも証券会社では大事なので、仕切りが一切ないのも現実味があっていいです。
伊佐山部長は個室がありましたが、半沢部長は個室がありませんね。
証券会社は執行役員から個室を持てることが多いです。
東京セントラルの社員がこんな色めきだって良いの?
結論:全然ダメ
電脳雑伎集団によるSpiralの買収は、この時点では「公表前の重要事実」にあたります。
いわゆるインサイダー情報です。
この様なインサイダー情報を部下全員に知らせる半沢部長は著しく無能です。
インサイダー情報は部門内であっても伝達先を限定するのが基本です。
今回のケースだと岡社長・半沢部長・森山調査役、この3人に絞るべきです。
伝達先を絞っていれば次項の裏切り者は出ることがありませんでした。
裏切り者って出てくるものなの?
結論:出てきません
情報を流した先が親会社の東京中央銀行なのでうやむやになっていますが、顧客情報の横流しは会社への背信行為ということで懲戒解雇の対象です。
退職時に顧客情報を持ち出して転職する金融営業員がいますが、自己都合退職から懲戒解雇に切り替えられるケースをデザイナーズは見たことがあります。
派閥って本当にあるの?
結論:あります
無さそうに見えて金融機関には派閥があります。
人事異動の時に部門を管掌する役員に必ず話が行きます。
半沢部長にも第1話で部下の異動の打診が来ましたよね、あんな感じです。
その時に出来る限り公平なジャッジで役員も異動案を出すのですが、甲乙付け難い場面になると役員の好き嫌いになってきます。
好き→引き上げる、このサイクルが回り続けることによって派閥が出来てきます。
伊佐山部長が大和田常務を裏切った様な、裏切り行為は実際の金融機関ではほとんど見ませんね。
いきなり部長が部下にチャンバラ仕掛けて良いの?
結論:ダメです
最近はパワハラ・セクハラに大変厳しい時代です。
飲みに誘って「なんでですか?」と返してくる20代は、刺されるリスクが大きいです。
そんな20代にいきなりチャンバラを仕掛けるのは、部長としての自覚が足りません。
半沢部長、反省してください。
瀬名社長みたいに苦労してる若手社長は多いの?
結論:多いです
上場まで行くと、創業メンバー達は数十億円単位のお金を手にすることが多いです。
お金で動く人たちではなく、理念で動く人たちを相手にするので、繋ぎ止めるのは本当に難しいです。
お金よりも人で苦労するケースが多い様に思います。
仲違いしたメンバー宛の三笠副頭取の提案書をみると、760〜900億円と言う数字がありました。
時価が1,000億円弱あれば、Spiralの株券を担保に100億円ぐらいは証券担保ローンで楽々借りれます。
三笠副頭取が「お金に困っている様で」とおっしゃっていましたが、お金に困ることはまずあり得ません。
証券担保ローンでなんとでもなりますからね。
たまーに証券担保ローンでお金を借り過ぎた後に、担保株の大幅下落でお金に困る人は見ます(上場企業オーナー)。
半沢部長みたいな優しくて冷静で熱い上司はいるの?
結論:います
大手金融機関の部長は全社員の3〜5%という狭き門です。
部長に昇格すると「任命式」と言うものに招待され、役員一同と会食等をともにすることがあります。
大手金融機関の部長はエリートです。
部長になれずにサラリーマン人生を終える人がほとんどです。
そんな狭き門をくぐった部長は、人格・ビジネススキル共に非常に優れています。
こんな簡単に株式の30%の買付って出来ちゃうもんなの?
結論:出来ます
今回の30%の買付の要点は以下の4点です。
- 取引形態:市場外取引
- 取引の相手方:形式的特別関係者(買付者の関係者)ではない
- 取得後の株式比率:30%
- 60日の間に10名以下のものから買付
TOB(株式公開買付)に関する分野は考え方が難しいです。
今回の場合は上記の4点からTOB規制に抵触しないため、後ろから刺す様な買収が可能になりました。
いくら収益になるからと言っても、敵対的TOBを大手金融機関が勧めることはまずありません。
片方との関係が完全に終わってしまうからです。
それは問題なかったんじゃが、デザイナーズの所属する会社(別部門)が、敵対的TOBをかけられる側についてしまった。
それでデザイナーズは仲の良い顧客先を出入り禁止になってしまったんじゃ。
とほほ。。。
「時間外取引か!」って半沢部長驚いてたけど驚くことなの?
結論:驚きません
これは半沢部長がポンコツです。
敵対的TOBを仕掛ける際は、大量保有報告書の提出義務が発生しない5%未満まで、株式の買付を市場内立会内(普通の株式市場)でコツコツ行うのが基本です。
半沢部長は株価を気にしていたことから、まず5%未満まで電脳雑伎集団がコツコツSpiralの株を買い集めると読んでいたのだと思います。
ただ今回のケースは発行済み株式50%超を最終的に買い集めたいという明確な顧客意向があります。
そうなると、仲違いした創業メンバーの2人が保有するSpiral株が必要になってくるのは明らかです。
まだ先の話と呼んでいたのかもしれませんが、先見の明が強い半沢部長にしては読みが甘いと思いました。
半沢部長の顔芸を撮影したかったとしか思えません。
人事異動の打診って部長に来るの?
結論:来ます
人事も勝手に人事異動を決めるわけではありません。
部長以上に対して、移動させたい人数や人物(名指し)を打診して、部長以上との複数回の協議を経て決定します。
最終的な人事権は人事部が持ちますが、現場の意向も大きく反映されます。
バレちゃまずいメールを社内メールで送るもんなの?
結論:送りません
お粗末すぎて大変残念です。
金融機関の人間は20代の頃は「絶対に嘘をつくな」と言うことを叩き込まれます。
嘘をつくと1ヶ月営業停止+コンプライアンスブックの写経という再教育を施されたりします。
30代になると、顧客を守るための嘘がだんだん許される様になってきます。
ただしどんな嘘であっても公になるとまずいので、メールなどの証跡が残るツールは一切使いません。
オフィスの電話も録音されているので、基本的には携帯電話でのやりとりになります。
上記観点から、社内メールでパスワードもつけられないメールベタ打ちはセキュリティ意識が著しく低いです。
この様な杜撰な対応をする人間は、金融機関においては一発で無能認定です。
顧客からも信頼されません。
伊佐山部長がメールの受信履歴消去したけどそんなこと出来るの?
結論:出来ません
金融機関の情報セキュリティをなめてるとしか思えません。
現役の金融機関営業員として苛立ちを覚えました。
金融機関のセキュリティが本当にこんな杜撰だと思われると心外です。
メールの受信履歴や、顧客との電話の録音は営業サイドからは一切削除できません。
削除依頼を出した段階で疑いの目を向けられ、徹底的に調査が入ります。
削除依頼を出した時点で伊佐山部長はクビです。
金融機関においては、営業サイドの不正を管理サイドが厳重に監視する体制が出来上がっています。
過去、営業サイドで多くの不正が働かれた経緯があるからです(顧客資産の横領など)。
電話・メールに関しても常時検査部門のウォッチが入ります。
不審な電話やメールがあった場合は随時照会が来ます。
金融機関はグループ内でも仕事の取り合いが多いの?
結論:多くありません
親会社は子会社の仕事に基本手を出しません。
子会社の手に負えなくて、親会社が案件を受け持つと言うことはあります。
そもそもグループ会社内で仕事内容が被っていることが問題です。
半沢直樹2020は超レアケースを題材にしたドラマだと認識しましょう。
まとめ
- 伊佐山部長みたいな粘着な人は金融機関に本当にいるの?いません
- 金融機関のぽっちゃりはやっぱりダブルのスーツ着るの?着ません
- こんなバカでかいボード見る人いるの?見ません
- 東京セントラルの社員がこんな色めきだって良いの?全然ダメ
- 裏切り者って出てくるものなの?出てきません
- 派閥って本当にあるの?あります
- いきなり部長が部下にチャンバラ仕掛けて良いの?ダメです
- 瀬名社長みたいに苦労してる若手社長は多いの?多いです
- 半沢部長みたいな優しくて冷静で熱い上司はいるの?います
- こんな簡単に株式の30%の買付って出来ちゃうもんなの?出来ます
- 「時間外取引か!」って半沢部長驚いてたけど驚くことなの?驚きません
- 人事異動の打診って部長に来るの?来ます
- バレちゃまずいメールを社内メールで送るもんなの?送りません
- 伊佐山部長がメールの受信履歴消去したけどそんなこと出来るの?出来ません
- 金融機関はグループ内でも仕事の取り合いが多いの?多くありません
半沢直樹2020もやはり面白いですね。
第2話も解説続けていきたいと思っています!